野球など投球動作をするスポーツでは、肩の障害が頻繁に見られます。「野球肩」という名称は診断名ではなく、「野球をしていて肩を痛めた」ということを表しているだけです。肩のどの部分を傷めたのかによって、治療法や予後が変わってきます。
肩はほかの関節に比べ、大きな可動範囲を持っています。肩は関節が浅く(接合性が悪い)、関節を支える靭帯もそれほど発達していません。その分、筋肉によるサポートが強くなっています。特にインナーマッスルと呼ばれる深層の小さな筋肉の働きが重要で、インナーマッスルが肩の動きに大きな影響を及ぼします。
それでは、投球動作を見ていきましょう。
一般的なオーバースロー(右利き)の場合、次のようにフォームを分解することが出来ます。
①ワインドアップ期
投球動作に入る前段階です。両腕を頭の上に上げる「ワインドアップ」、胸の前に持ってくる「ノーワインドアップ」、走者がいるときに使う「セットポジション」などがあります。この段階では肩に強い力は加わらないので、ここで肩を痛めることはほとんどありません。
②コッキング期
投球動作に入り、左足を上げ、左足が着地するあたりのことをコッキング期と呼びます。左手は打者のほうへ伸び、右腕は後ろのほうにもって行き、ちょうど胸を張るような姿勢になっている状態です。
ここでは、腕を後ろに引き、さらに腕には外旋(外側に捻る動作)が入ります。そのため肩の前側が引き伸ばされるような状態になり、肩前面についている筋肉や靭帯を痛めてしまうことがあります。
③アクセレーション期
アクセレーション期は、コッキング期に後方に持っていった腕を、ボールをリリースするために前側にもっていく期です。最も力が入り、加速度がつく部分であり、様々な障害が起こりやすい部分です。
ボールをリリースするためには、後ろに持っていった腕を、前方・内旋(内側に捻る動作)方向に動かすことが必要になります。このときに起こる、外旋⇒内旋の動作でかなりの負担がかかります。
肩を90度横に上げた状態で、さらに内側に捻る動き(内旋)をすると、肩の関節が最も狭くなり、関節内部で衝突するような状態になります。このときにインピンジメント症候群(挟み込み症候群)という損傷が起こりやすくなります。
④フォロースルー期
フォロースルー期は、ボールをリリースしたあとの投球動作の最後の部分です。このときは肩は最大内旋が加わると同時に、肩の後ろ側の筋肉が最大限に引き伸ばされることになります。
また、ボールをリリースするときには腕の動作に最もスピードが乗っているわけですが、フォロースルーでは今度はそれを減速させる力が必要です。肩の後ろ側の筋肉は、最大限に引き伸ばされながらも、腕を減速させるために力を発揮しなければなりません。一般的に、引き伸ばされた状態で筋力を使うほうが組織を痛めやすく、肩の後ろ側を痛める原因となります。
リガーレカイロプラクティックでは・・・
スポーツ障害では、どのようにして痛めたのか、どの動作が痛いのかが治療する上での鍵となります。野球肩の場合、フォームのどの部分で痛みがあるのかによって痛めている部分が違うので、しっかりと状態を見極めることが必要です。
投球動作は、決して肩単独の動きではありません。全身をうまく使うことで初めてうまく投げることができるのです。リガーレカイロプラクティックでは、まず投球動作のどの部分で痛みがあるのかを確認します。実際にフォームを見て、どこを傷めているのか?肩に負担をかけている要素はないのか?など追求して治療していきます。





